前橋の「そば」のこと

 今回行ったのは武本さんの店。市内中心部にありながら道路から1本裏にあるので静か。店内には控えめに浮世絵と書が掛けてあり庭の竹林が春の日ざしをうけて畳に写っている。
 「ざるそば」と奴にお酒を注文。待っている間テーブルの上にあるきれいなペン字で書かれたファイルを見る。ご主人が書き留めた「そば」にまつわる文章と小説や随筆に出てくる「そば」の書き写し。第36とあるので長く書かれているのだろう。
 5分ほどで笑顔の温かい女性が運んできた。ご主人はファイルのことを照れながらも愛嬌があり「いい顔してるなあー」と思ったら「60度くらいの挨拶ぐらいしろ、愛想がない」といつも言うY氏とN氏(当HPでエッセイを連載してくれているご両人)の顔が浮かんだ。反省しつつもすぐに忘れて「そば」を食べる。よい店を選んで連れて行ってもらうからか今まではずれなし。こちらの店も蕎麦湯までおいしくいただいた。
 ご主人の書いている中で「おいしい蕎麦屋の近くには必ずおいしい珈琲の店がある」とあった。当方の店の近くには蕎麦はないけどおいしいうどん屋さんがある。いつも肉うどんを注文しているが今度はざるうどんでも食べよう。食後の珈琲はダッチのホットかターキッシュ。