少し前、私は引き伸ばし機を手に入れた、値段は言えないが。周辺機器と液体が少々必要だが準備は整った。
「そんなものは、使い物にならない」と笑った人がいた。Y氏だ。あのY野氏ではない。
この頃、モノクロプリントに目覚めたY氏は引き伸ばし機と周辺機器を合わせてジュ、ジュウマンエン!だすらしい。
私は金額は20分の1以下で労力を20倍だせば同じような仕上がりになると信じているがY氏は鼻で笑っている。
Y氏はカウンターで色々と解説してくれる、美しい奥方と素敵なお嬢のプリントを僕に見せながら、知らない言葉が並ぶ。自信に満ちている。余裕がある。
「今に見ていろ僕だって」と聞いていたが、ふとカウンター横の50年くらい前の引き伸ばし機君に目をやると何か靄がかかっているように姿、形がはっきりしない。
焙煎してるわけじゃなし、僕の目がおかしいの?と交互に目を覆ってみた。うん、ちょっとだけキテル。
50年、50歳、同い年、幼なじみ。よく見ると錆びているところもある、持ってみるとミョウに軽い。
「休みたい・・・・、耐えれない・・・無理」力のない声・・・・。

今夜は日曜日から開く「銅版画 2人展」の準備。今日中には終わらせたい、0時をすぎると足がキツイから。
明日は版画教室の日です、ご見学如何でしょう。午後3時からです。