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今日も暑い1日になりそうですが、朝、ツールドフランス取材中の蜂谷氏からメールが2通ありました。
本日より「銀輪の国から」と題して蜂谷レポートをお届けします。
銀輪の国から1
「12日、空港からレンタカーで一路リモージュを目指す。しかし、この日はバカンスの出
発日。パリから80キロしか離れていないオルレアンまで大渋滞に遭い4時間もかかった。
リモージュはオルレアンから350キロ先だ。渋滞でマニュアル車は辛い。重いクラッチ
を何百回も踏む右足が旅の過酷さを代弁する。そんな苦痛に満ちた高速道路料金所で疲
れを癒す出来事があった。
バカンス車一台一台に職員が粗品を進呈しているのだ。中身は旅の情報が記されたパン
フレットが主だが、何とオレンジジュースとトランプが入っていた。職員は排気ガスに
まみれながら「ボンジュール」と声を掛けながらジュースとトランプ入りの袋を渡し続
けていた。小さな缶入りジュースは渋滞のイライラを一割は減らしてくれた。盆暮れの
東名高速では決して味わえないフランス流お役所サービスに、妙に感動してしまった。
それにトランプの土産も出来た。
川本さんは小生渡仏の際土産は要らないと念を押していた。二度もそう言った川本さん
に敢えて有償の土産を贈るのはいかがなものか? かといって何も渡さないのも礼儀に
反する。この無償かつ限定のトランプこそ「買わずに待つ」川本さんに最適な贈り物と、
リモージュに着く直前に思い立った。これで一つ肩の荷降りた。渋滞も役に立つものだ。
アビヤント!」
銀輪の国から2
「小学校の国語に登場して以来、約40年の歳月を経てラスコーの洞窟に行ってみた。1940
年に迷った犬を捜した少年が偶然見付けた一万七千年前の壁画だ。現在はカビからオリ
ジナル作品を守るため、洞窟は封鎖されている。我々が見学出来るのは近所に造られた
精密なコピー、ラスコー2である。コピーというと胡散臭いイメージが付き纏うがそこ
はフランス、11年の歳月を掛け顔料から塗布手法まで完璧に再現しており非常に感動的
だった。最近は世界遺産の落書きが問題になっているが、何とラスコーの壁画にもしっ
かり作者のイニシャルマークが描かれている。これを描いたクロマニオン人の末裔らは
フィレンツェと日本の騒動をどう感じているだろう? アビヤント!」
4000キロ近く車で先回りしての過酷なレポートを今後もお楽しみ下さいませ。
しかし優しいですね〜蜂谷氏は。こう言いながらもトランプと何か一品付けるのが蜂谷流ですから。