蜂谷秀人の「銀輪の国から #10」

 今日、アルプス地方を出発した。シャンベリーに一週間いたことになる。土曜日はバカンス移動日の渋滞最重要日。南に向かう高速道はめちゃくちゃになるので朝6時にホテルを出発した。これならパリやリヨンなど大都市からのバカンス車をかわせると思った。今日の最難関地、リヨンはスーっと通り抜けた。作戦どおりだ。しかし、リヨンの南にあるヴァランスから動かなくなってきた。今日の目的インターチェンジまで後18キロになったとき、いよいよ徒歩くらいの速さになった。18キロ進むのに結局、ベートーベンの第九交響曲が全部聴けた。目的地のインターチェンジを降り、後は地道を40キロ進めばツールのコースが現れる。この道はバカンスに関係無いので快調に進む。遠くに路肩に停めた乗用車の列が見える。何とか間に合った。後20分程で集団がやって来るという、ギリギリの到着だった。渋滞中は諦めていただけにツールに思わぬ再会が出来たのはラッキーだった。これで写真が上手く撮れたら良いことずくめだが、何となくシックリ行かなかった。フィルムなので帰国してガーンと頭を打つのだろう…。「でも、ひょっとしたら思ったより良いかも…」ハズレが一瞬で分かるスクラッチよりも宝くじの方が少しの期間楽しめる。そんな気分のツール撮影最終日だった。アビヤント!
 
 備考 ツールは明日(日曜日26日)にシャンゼリゼゴール。選手は25日のゴール後、新幹線で当日移動。小生はパリから600キロ離れた地点に居るので、2009年のツールはここで終了。


と、いうことで梅雨開け前に蜂谷さんのツールドフランスレポートは終わっちゃいましたが如何だったでしょうか。今頃、パリのカフェでのんびり体を休めているんでしょうね〜。お疲れ様でした、そして、ありがとうございました。